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クロメート処理に関するまとめ

今回はクロメート処理について説明します。

クロメート処理とは

クロメート処理とは、クロム酸やクロム酸塩を配合した薬剤による皮膜化成処理のことです。
亜鉛メッキ材料やアルミニウム材料の他、マグネシウム材料や亜鉛材料の耐食性向上や塗装下地等を目的として採用される皮膜処理です。

非常に優れた耐食性能を発揮することから屋外で使用される製品等で広く採用されてきました。処理液には人体・環境への有害性のある6価クロムを含有しており、また、世界各国で規制対象となっていることから、ノンクロメート処理やクロムフリー処理への切替が行われています。

ノンクロメート処理とは

規制が厳しいクロメート処理の代替となる処理方法です。六価クロムを含有しない薬剤による化成処理方法のことで、六価クロムより人体への有害性の低い三価クロム化成処理もノンクロメート処理に属します。六価クロムと三価クロムの人体・環境への有害性を比べると三価クロムは有害性が低いため、六価クロムを使用しないノンクロメート処理されています。特に、クロムを含有しない代替処理方法は、クロムフリー処理と呼ぶ場合もあります。

従来の6価クロムによるクロメート処理の耐食性が非常に優れていることから、クロメート処理が採用されるケースもあります。

クロメート処理とノンクロメート処理の工程

処理工程は、製品や素材などにより異なります。ここでは、アルミニウム製品の塗装前処理工程を例に説明します。

一般的な処理工程は下記のような工程になります。
クロメート処理とノンクロメート処理共に共通となります。

  1. STEP 1

    脱脂

  2. STEP 2

    水洗(2~3段)

  3. STEP 3

    酸洗

  4. STEP 4

    水洗(2~3段)

  5. STEP 5

    皮膜化成

  6. STEP 6

    水洗(2~3段)

  7. STEP 7

    純水洗

  8. STEP 8

    水切乾燥

  9. STEP 9

    塗装


STEP3とSTEP4の酸洗と水洗のセット、STEP6の純水洗の工程は設けられない場合があります。
使用する薬剤の種類や塗装の種類、製造スペックにより工程の省略や追加がされる場合があります。

クロメート処理とノンクロメート処理で得られる化成皮膜

クロメート処理による化成皮膜

一般的にクロメート処理による化成皮膜は有色クロメートと無色クロメート、光沢クロメートなどがあります。素材表面上のゲル状非晶質皮膜で、耐食性能が非常に優れているのが特徴です。耐熱性が低く、75℃付近より高い温度にさらされるとクラックが生じて性能劣化が発生します。

ノンクロメート処理による化成処理

ノンクロメート処理の化成皮膜は数々あります。例えば、アルミニウム用のノンクロメート処理による代表的な化成皮膜としては、三価クロム皮膜やチタニウム系皮膜、ジルコニウム系皮膜などがあります。それぞれ使用する薬剤は異なります。それぞれ化成皮膜の性能や性質が異なりますので、薬剤メーカーへご相談ください。

クロメート処理とノンクロメート処理に関するまとめ

亜鉛メッキやアルミニウムなどの金属材料への化成皮膜処理で、塗装下地や耐食性皮膜といった目的で使用されます。クロメート処理では、六価クロムの人体や環境への有害性が原因で厳しい法規制があることから、ノンクロメート処理への移行が進められています。

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