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水質汚濁防止法に関するまとめ

国民の健康と生活を守るため、指定された特定施設を設置している指定事業場からの公共用水域への排出、及び地下水への浸透を規制する法律に、水質汚濁防止法があります。

水質汚濁防止法の概要

水質汚濁防止法は昭和45年12月25日に成立した排出水の排出の規制や生活排水対策の推進、水質汚濁の状況の監視などを定めた法律です。
工場および事業場から公共用水域に排出される水の排出や浸透を規制することによって、公共用水域および地下水の水質の汚濁を防止し、国民の健康保護及び生活環境を守ることを目的としています。
また、工場や事業場からの汚水又は廃液によって健康被害が生じた場合には、事業者の損害賠償の責任を定め、被害者の保護を図ります。
排出水の排出の規制は環境省令で定められており、排出水に含まれる有害物質の量については種類ごとに許容限度が決められています。これらの調査は国や都道府県、市町村が連携して行われます。

水質汚濁防止法の対象となる有害物質

水質汚濁防止法の対象となる有害物質は、人の健康にかかわる被害を生ずるおそれがある重金属、有機化学物質などがあります。

  • カドミウム及びシアン化合物
  • 有機リン化合物(パラチオン・メチルパラチオン・メチルジメトン)
  • 鉛及びその化合物(六価クロム化合物・ヒ素及びその化合物)
  • 水銀及びアルキル水銀、水銀化合物
  • ポリ塩化ビフェニル
  • トリクロロエチレン
  • テトラクロロエチレン
  • ジクロロメタン
  • 四塩化炭素
  • 1,2-ジクロロエタン
  • 1,1-ジクロロエチレン
  • シス-1,2-ジクロロエチレン
  • 1,1,1-トリクロロエタン
  • 1,1,2-トリクロロエタン
  • 1,3-ジクロロプロペン
  • テトラメチルチウラムジスルフイド(別名チラウム)
  • クロロ・エチルアミノ・トリアジン(別名シマジン)
  • クロロベンジルメチル・ジエチルチオカルバマート(別名チオベンカルブ)
  • ベンゼン
  • セレン及びその化合物 ホウ素及びその化合物 フッ素及びその化合物
  • アンモニア及びアンモニウム化合物 亜硝酸化合物及び硝酸化合物

水質汚濁防止法の排水基準・まとめ

水質汚濁防止法の排出基準は、一日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上である工場又は事業場に関わる排水に対してこれらの有害物質の限界濃度が定められています。
水質汚濁防止法は全ての工業排水に適用されるものでなく、規制対象の施設や排水量によって限定的に適用される規制であり、特定施設に該当しないと適用されないこともあります。そのため、地方自治体の権限強化を行い、地方自治体の条例による独自の上乗せ排水基準の設定や排水基準違反に対する直罰などを定めています。
これらの法律や条例は、下水道法などの関連法令とともに、水俣病などの水質汚染による公害病を二度と起こさないための国の政策として様々な改訂をくわえながら執行されています。

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