界面活性剤に関するまとめ
一般的に、水と油といった混じり合わないものの仲介をして均一に混ざるようにする効果を持つのが界面活性剤です。
界面活性剤には様々な種類があり、目的に合ったタイプのものを選ぶ必要があります。
そこで、界面活性剤の性質や種類についてまとめてみました。
界面活性剤の性質
界面活性剤の性質としては次のようなものが挙げられます。
- 親油性と親水性の相反する性質を合わせ持っています。界面活性剤の種類によってそのバランスが異なるため、指標としてHLBという値が使われます。親油性が最も高い物がHLB0、親水性が最も高い物がHLB20という値で示されます。
- 水と空気、水と金属面など、界面活性剤が吸着する界面がある場合にはその部分に吸着し、界面がない場合には、集合体ミセルを形成して、吸着できる界面が出現するのを待つという性質があります。
- 表面張力を低下させ、汚れを溶かしやすくしたり、乳化、懸濁をしやすくしたりします。
- 液体界面の表面張力を変化させて泡立ちやすくしたり、逆に泡立ちにくくします。
これらの性質をどのように併せ持つかにより、それぞれ違った特徴をもつ界面活性剤になります。
界面活性剤の種類
界面活性剤の種類には以下のようなものがあります。
- アニオン界面活性剤
せっけんやアルキルベンゼンスルフォン酸塩系合成洗剤に用いられる界面活性剤です。マイナスイオン(アニオン)になることによって強い洗浄力を発揮することからこの名が付けられています。 - カチオン界面活性剤
水に溶けた状態でプラスイオン(カチオン)の性質を持つ界面活性剤です。第一アミン塩系、第二アミン塩系、第三アミン塩系の3つに分類できます。 - 非イオン界面活性剤
水に溶かしてもイオンには解離しない界面活性剤です。洗浄力の面ではアニオン界面活性剤に近く、酸性の溶液中でも高い洗浄力を保つことができるという特徴があります。ただし、工業用に用いられるのは、ノニフェノール系のみです。
金属表面処理の分野では、表面の洗浄や防錆性の付与、表面処理剤の製造などで様々な界面活性剤が利用されています。
まとめ
界面活性剤には上記のように様々な性質があります。また、種類もたくさんあり、得意とする分野が異なります。そのため表面処理の効果を高めるためには用途に合わせた界面活性剤を選ぶことがとても重要になります。
表面処理の目的で界面活性剤を用いる場合は、洗剤などで必要とされる洗浄力だけでなく、帯電防止や撥水、防錆、防曇などの作用を求められます。重要視するポイントは、親水性と親油性のバランス、形成されるミセルの形状、状態の持続性などがメインになるでしょう。
金属表面処理剤の効果を高めるため、目的に併せて界面活性剤を利用して行くことが必要になります。