金属表面処理剤・ペイントキラー剤なら、株式会社ケミコート

COLUMN

COLUMN

表面処理コラム

TOP > 表面処理コラム > リン酸鉄皮膜処理に関するまとめ

リン酸鉄皮膜処理に関するまとめ

 塗装をする際は、いきなり素材に塗装を行うのではなく、外観や密着性、耐食性を高めるために表面処理を行います。その時用いられることの多い表面処理の1つにリン酸鉄皮膜処理があります。
そこで、リン酸鉄皮膜処理の特徴や用途などについてご紹介します。

リン酸鉄皮膜処理とは

リン酸鉄皮膜処理とは、鉄鋼にリン酸鉄皮膜剤の溶液(加工液)を塗布、あるいはリン酸鉄皮膜剤の加工液に浸す、吹き付けるなどして、リン酸鉄の薄い皮膜を作る処理のことです。この処理は、塗膜の耐食性を向上させる目的で塗装の前処理などによく用いられます。
鉄は大気中の酸素と反応すると酸化鉄になりやすい性質を持っています。この場合の酸化鉄=錆ですから、酸素があるところで鉄の表面がむき出しになると、即座に錆の発生が始まります。錆は見た目が美しくないというだけでなく、金属自体が脆くなり、広がるにつれて原型を保てなくなってしまいます。万が一塗装がはがれてしまった場合、リン酸鉄皮膜のない表面ではむき出しになって空気に触れた面から錆が発生してしまいます。

リン酸鉄皮膜処理の特徴

リン酸鉄皮膜処理」と同様の処理方法としてよく比較の対象となるものに「リン酸亜鉛皮膜処理」があります。一般的には、リン酸亜鉛皮膜処理の方が耐食性の点で優れていると言われていますが、次のような特徴があることから、塗装前処理としてリン酸鉄皮膜処理の方を選ぶことが少なくありません。

  1. 処理工程が少ない処理工程が少なく、脱脂から乾燥までの4~5工程ほどで済ます。一方、リン酸亜鉛皮膜処理は8工程ほどかかります。
  2. 法規制が少ない処理水を排水する際の規制がリン酸亜鉛皮膜処理と比較して法規制に掛かる物質が少なくなります。
  3. メンテナンスが少ないリン酸鉄皮膜処理は、リン酸亜鉛皮膜処理と比較してスラッジの生成量が少なく、処理液の酸性度も弱いため、設備のメンテナンスに手間がかかりません。
  4. 皮膜が薄い皮膜の厚さは0.5μm以下と薄くなります。
  5. コストが少ない処理工程が少なく、排水やメンテナンスにも手間がかからないことから、皮膜処理をする際のコストがリン酸亜鉛皮膜処理より低くなります。
  6. 鋼鉄製品に特化している鋼鉄製品にしか皮膜を作れない処理方法です。

このような特徴から、耐食性の要求レベルが高くなく、低コストで塗装の前処理をしたいという場合を中心にリン酸鉄皮膜処理が採用されることになります。

リン酸鉄皮膜処理の特徴用途・処理素材・その他まとめ

リン酸鉄皮膜処理が用いられるのは、塗装の前処理として行われることが多いです。リン酸鉄皮膜処理が可能な素材は、鉄鋼素材となります。耐食性の面ではリン酸亜鉛皮膜処理の方が優りますが、処理工程数などの条件から採用される処理方法と言えます。
また、作業効率や処理設備のメンテナンスの容易さからもリン酸鉄皮膜処理が採用されることも少なくありません。

お困り事ありませんか?ケミコートに相談する 
製品を見る 会社情報を見る