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消泡剤があれば泡が発生しても怖くない

消泡剤があれば泡による悩みが解消されます。泡ができる要因と消泡剤の特徴を確認しましょう。

泡とは

最初に泡の定義について確認しましょう。泡とは、液体や固体の中にかたまりとして入り込んだ気体やその気体が薄い膜で隔てられた状態でいくつも集まった状態のことです。液体や固体に入り込んだ気体のかたまりを気泡、その気泡が集まったものを泡沫とも呼びます。泡は周りを囲んでいる液体の表面張力の影響を大きく受けます。液体の場合、純水な液体では一般的に大きな泡立ちは認められません。液体に他の液体や固体などの物資が混ざった混合溶液になると泡立ちやすい傾向になります。

消泡剤の種類

消泡剤には主にオイルタイプや界面活性剤タイプ、エマルションタイプ、特殊タイプといった種類が存在していて、それぞれ異なる特徴を持っています。

オイルタイプは鉱物油などの油性物質を主成分とした消泡剤です。主に水系液体に対して消泡効果があり、即効性に特化した消泡性を持っています。そのため、液体表面にできた泡を素早く消したい場合に適しています。泡を素早く消す即効性に優れていますが、消泡効果を維持する持続性が低いのが弱点です。油性物質が主成分であるため、河川などに大量に流出した場合は環境への影響が懸念されます。法律で定められた排水基準もありますので、排水系統で使用する際は使用量にご注意下さい.

界面活性剤タイプも油性物質を主成分としていますが、その中でも消泡効果を持つ界面活性剤を配合した消泡剤です。界面活性剤はせっけんをはじめとした洗剤などにも使われているもので、泡が立つイメージが強いと思います。実際には、界面活性剤は多くの種類があってそれぞれ異なる性質を持っています。その界面活性剤の中で消泡性能を示すものを使ったものが界面活性剤タイプの消泡剤です。界面活性剤タイプの消泡剤は、一般的に貯蔵安定性に優れ、長期保存が可能です。使い方を誤ると泡が立つ原因となる場合があるため、注意が必要です。

エマルションタイプの消泡剤は、消泡成分を水に乳化・分散させたものです。消泡成分をあらかじめ水に分散させているため、使用時の水中での拡散性に優れています。エマルションタイプの消泡剤は、貯蔵安定性に難点があります。長期保存をした場合に、変質や分離によって消泡性能に影響が出てしまうことがあります。変質を抑えるためには、直射日光を避けて冷暗所で保管することが基本です。

優れた消泡性能を持つシリコーンやシリカを配合した特殊タイプもあります。シリコーンやシリカは、塗装する際に製品に付着しているとハジキの原因となる場合があります。

発泡の状態や使用場所によって、消泡剤の種類が使用に適さない場合がありますので注意が必要です。

消泡機構

多くの場合、泡が立っているところにほんの僅かな量の消泡剤を入れるだけで、消泡効果を発揮します。最初に確認した通り、泡=泡沫は薄い膜で隔てられた気泡が集まった状態になっています。消泡剤は、この薄い膜の中に入り込みます。消泡剤が膜を構成している液体の表面張力に作用すると、膜の強度が下がって泡が割れやすくなります。割れやすくなった泡が次々に割れていくことで、たくさん立っていた泡が消えていきます。このように泡を割れやすくして消泡する消泡剤の効果は破泡作用と呼ばれます。

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