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表面処理コラム

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設備老朽化とメンテナンス

日々モノを造り続ける塗装工場の製造ラインにとって、設備故障は頭の痛い問題です。今回は、工場設備の老朽化とメンテナンスについてです。

設備トラブル

みなさんは、バスタブ曲線というものをご存じでしょうか。故障率曲線と呼ばれるもので、時間経過による機械や装置の故障が起きる割合の変化をグラフで表したときにバスタブのような形をしている曲線をこのように呼びます。
機械や装置の使い始めは、製作上の不具合等に起因する故障が発生する時期で、初期故障期と呼ばれます。多くのメーカーでは保証期間に当たります。初期故障期を過ぎると故障が発生しづらい時期、風発故障期に入ります。この時期は、故障が少なくて安定した稼働ができる時期です。機械や装置を長い間使用すると、機械や装置を構成している部品が劣化などによる故障が多くなってきます。この時期は摩耗故障期と呼ばれ、機械や装置が耐用年数を過ぎるころに相当します。

初期故障期は、設計や製作の段階や使用条件の中に潜在的に存在している不具合が原因で故障が発生する可能性が高い時期です。この時期の故障に適切に対処することで、徐々に発生する故障が減少していき故障率が低く安定する偶発故障期に入ります。そこから時間と共に機械や装置を構成する部品が劣化したことが原因で発生する故障が増えていき、摩耗故障期に入ります。

バスタブ曲線

事後保全と予防保全

機械や装置が故障してしまうと、工場の生産はストップしてしまいます。故障箇所を直さないとラインを稼働させることが出来ないため、設備修繕をして生産ラインを復旧させる必要があります。このように故障が発生してから行う保全活動を事後保全と呼びます。故障の発生から修繕が終わるまでの間、生産ラインが停止する事になるため、生産計画への影響が大きくなってしまうことがあります。それに対し、定期的な点検や部品交換をすることで、故障が発生する可能性を低く抑える保全活動を予防保全と呼びます。まだ故障していないものを交換するため無駄があるように感じる方もいらっしゃるとおもいますが、生産ラインが停止してしまうリスクを大きく低減することが出来る点が大きなメリットとなります。部品交換だけでなく、グリースアップや掃除をすることは、摩耗故障期に入る時期を遅らせることに繋がります。

配管

塗装前処理設備の老朽化や設備メンテナンス

塗装前処理設備は、様々な機械や装置、構造物で構成されています。表面処理薬品を貯めておく槽や薬品を循環されるポンプや配管、薬品を加温する装置、処理をするワークを搬送するコンベア、排気装置など非常に多くの機器で構成されています。多くの場合、ポンプや搬送機器といった動きのある機械が故障する確率が高いです。グリースアップや清掃といった日常的なメンテナンスをしていない場合、その確率が上がる傾向にあります。油やゴミが混入してくる脱脂工程やスラッジの発生する皮膜化成工程では、配管や加温装置、ノズルなどの詰まりを防止するために定期的な清掃・メンテナンスが必要です。塗装設備でも設備に付着した塗料を定期的に清掃する必要があります。

配管

塗装前処理設備の老朽化

長年稼働している塗装前処理設備では、腐食や劣化による故障が多く発生するようになります。また、水を使用する設備であるために湿度が高く、さらに酸性の薬剤を使用する場合があるため設備の腐食も進みやすい環境にあります。塗装設備でも水を使用する湿式塗装設備の場合は、水を使うことによるメリットは大きいですが腐食が進みやすい設備です。清掃やメンテナンスで腐食や劣化を遅らせることができます。また、部分的に機械や装置を入れ替えることで生産ラインの稼働に影響でないようにすることもできます。しかし、全体的に設備の老朽化は進んでいっていずれは設備更新が必要となります。設備更新が必要になるころには、各種工場設備や機械、装置には新たない技術が導入されて省エネや環境負荷の低減、利便性の向上といった設備更新による多くの付加価値が得られるようになっているのではと思います。

フランジ

ケミコート プラント・ライフサイクル・サポートサービス

私たちは、長年の設計・施工管理、その後の点検等を通して、塗装前処理設備に関する多くのノウハウがあります。それらをお客様の塗装前処理設備の新規立ち上げから補修・修繕のライフサイクル全般にわたって生かしていくことが私たちの希望です。また、塗装前処理設備で使用する水を削減する節水式と蒸発システムによるクローズド式を組み合わせた「無排水・節水式表面処理設備 セイバー」や塗装焼付時に発生する臭気を脱臭する直燃脱臭燃焼炉を使用した放熱管式乾燥システムといったケミコート独自の技術をご提案可能です。設備の老朽化や故障、更新などをご検討中の場合、ぜひご相談ください。

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