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クロメート処理に関するまとめ

今回はクロメート処理について説明します。

クロメート処理とは

まず、クロメート処理の概要について説明いたします。

クロメート処理とはリン酸塩処理と並んで最も代表的な金属の化成処理法の一つであり、クロム酸塩溶液(あるいはクロメート処理液とも呼ばれる)を用いて行います。

クロム酸塩は金属を不動態化させる働きを持っており、不動態化した金属層が金属素材の表面にできることで金属製品の防錆性が良くなります。クロメート皮膜は自己修復性を持った酸化皮膜であることが特徴です。処理直後には金属表面がゲル状の状態となっているため、60℃程度で乾燥させることでクロメート皮膜として完成します。

なお、この溶液にはもともと六価クロムを用いてきましたが、現在では環境への影響を考慮して三価クロムへの移行が完了しています。

歴史的には亜鉛の白錆を防ぐために開発されたクロナック法が最初のものであるとされています。

クロメート処理の特徴

次に、クロメート処理の特徴について説明いたします。クロメート処理の特徴としては、何といってもその厚さに対する耐食性の効率が挙げられます。物理的な手段である塗装などと比べて、クロメート処理は薄い皮膜で高い耐食性を確保することができます。

前述したとおりクロメート処理によって得られる皮膜は自己修復性を持った酸化皮膜です。クロメート皮膜は非常に薄いため、物理的、化学的要因によって容易にその不動態化皮膜が破壊されます。

しかし、皮膜中の六価クロムイオンが移動して自己補修をするとされています。この自己補修効果により他の皮膜と比べて優れた耐食性を示します。

また、技術開発の進んだ分野でもあるため、用途に応じて様々な処理方法に細分されます。塗装の代替としても使える耐食性クロメートや着色クロメート、塗装の前に行う塗装下地クロメートなどです。

また、6価クロムの規制により新たな技術の開発や改良において、クロメート処理は様々な将来性を帯びているとして注目を集めています。

クロメート処理の用途・機能・まとめ

最後に、クロメート処理の用途と機能について説明いたします。

クロメート処理と似た技法のひとつに、歴史的にも有名なものとして鍍金(めっき)という技術があります。鍍金とは金や銀などの貴金属を電気分解で一度イオン化させた上、それを別の物質の表面に付着させるという技術で、少量の金や銀で物体の表面全体を覆うことができます。

金や銀が貴金属と呼ばれて重宝されている理由は、見た目の美しさだけではありません。
金属にはイオン化傾向というものが存在し、イオン化傾向の低い金や銀はイオン化しにくい、すなわち溶けにくい金属です。故に工業においても鍍金という技術が使われてきたのですが、このクロメート処理では貴金属に代えて不働態を用いることによって従来の方法に比べて大幅にコストを抑えることができます。

こうした理由のため、クロメート処理は外から見えない機械の内部部品などに施されることがあります。

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