赤さび
赤さびの主成分は、酸化水酸化鉄で非常にもろく水に溶けやすい性質を持ち、通常の黒錆より腐食速度が速いのが特徴です。大気中や水中の酸素と反応して金属の表面に現れます。水道水に検出される多くの鉄分はこの赤さびが原因であり、水道水のまずさや、鉄分の過剰摂取を伴ったりします。
赤さびだと下地の保護はできず、いつまでも腐食し続けます。一方で鉄を濃硝酸に浸すなどの事をすると、表面の腐食が進行しづらい不動態と呼ばれる状態の膜が形成されます。この不動態膜にはさまざまな種類がありますが、腐食進行を防ぐ不動態膜を利用した鉄鋼として耐候性鋼があります。これは一般的な鉄鋼とは異なり、塗装なしで使用することが可能です。ステンレススチールなどもこのような仕組みです。
しかし、海水や汗、血液などに含まれる塩化物イオンが鉄と反応すると酸化されやすくなります。また、塩化物イオンの存在により酸化鉄が水に溶けやすくなるため、表面の不動態の層による腐食防止作用がなくなり、腐食しやすくなってしまいます。