希釈
希釈とは、溶媒を加えて溶質の濃度を薄めることです。〇倍に希釈するという場合には、原液と溶媒を加えた全体でその量になるように調節します。たとえば、10倍に希釈するという場合、原液が1リットルであれば、9リットルの溶媒を加えて合計10リットルにすることになります。
多くの場面で用いられており、例としては排出物を処理する際、通常、希釈という方法が用いられています。あらかじめ濃度を下げておくことで、自然の浄化作用の負担を軽減することができるからです。但し、原液の量が多い場合や重金属など分解不可能な場合には希釈の効果は期待できません。
化学物質を希釈する際には、希釈熱(発生または吸収する熱量)に注意しなければなりません。発熱量は、溶媒や溶質によって異なります。濃硫酸を希釈するときには、大量の熱が放出し、高温になります。これは、硫酸が強い脱水作用及び発熱作用を有しているからです。事故の発生を未然に防ぐため、攪拌しながら水に硫酸を少量ずつ加えていく必要があります。