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表面処理用語集

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黒さび

黒さびとは黒皮とも呼ばれ、化学的には四酸化三鉄という呼び名で呼ばれている鉄の酸化物の一種です。黒さびは赤さびという鉄が酸化した赤く見える鉄さびを還元することによって作られます。黒さびは金属の表面に緻密な皮膜を形成するため、金属内部の腐食を食い止め、鉄が赤さびによってぼろぼろになるのを防ぐことができます。人工的に黒さびを金属につけることで鉄のさびを防ぐことを目的として古くから行われている鉄の金属表面処理を「黒染め処理」といいます。

黒さびが発見される前、鉄は「腐る金属」として忌み嫌われていました。しかし、黒さびを発見後、人工的に黒さびをつけることで鍬や鍬、鉄瓶や鍋といったもののさびを防ぐために多く利用されていきました。古いものでは奈良平安時代の神社、仏寺の色の黒い釘や蝶番がさびないことが有名です。

現在において、黒さびは赤さびと比較して体積が10分の1以下の針状の固い結晶であるという利点と鉄の酸化をふせぐために、先に紹介した「黒染め処理」といった金属表面処理を使って、やかんや包丁といった私たちの身の回りのものに利用されています。

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