高分子凝集剤
凝集剤とは、分子内に多数の極性基を持ち、それらが水中に懸濁している微細な粒子に吸着、架橋してフロックと呼ばれる集合体にする働きをする薬剤です。排水処理などを中心に様々な物質が混ざり合った水をきれいにする際に利用されます。
凝集剤は、ポリアクリルアミドなどの有機系凝集剤とポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩酸第二鉄などの無機系凝集剤に大別されます。この有機系凝集剤を高分子凝集剤と呼び、更にノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性のものに分けられます。無機系凝集剤に比べて少量でも効果が期待でき、粗大なフロックを得られるため、沈降速度を早める効果があるのが特徴です。
高分子凝集剤には、天然のものと合成のものがありますが、一般的に使われるのは、石油などを主原料として作られた天然のよりも分子量の大きい合成高分子凝集剤です。高分子凝集剤は、一般的に水中で電荷を持つ粒子にイオン結合し、細長い糸状である高分子の性質を利用して浮遊物質や溶解物質を吸着し、フロックを生成します。