耐候性
耐候性とは、JIS(日本工業規格)で「屋外で日光、風雨などの自然の作用に対して変化しにくい性質」と定められており、プラスチックをはじめとする工業材料が屋外で使用された際にどれだけ耐えられるかを表したものです。屋外で使用する工業製品は、品質評価や寿命予測または材料選定の観点から、自然環境における劣化特性である耐候性を把握することが非常に重要です。
プラスチックなど高分子材料が劣化を起こす要因には、太陽からの紫外線、熱、湿度、雨水、ガスなどがありますが、中でも影響が大きいのが紫外線だといわれています。劣化の症状には、変色や変形、割れ、硬化などがあげられます。
塗装においては、塗膜の耐候性は長期間、塗膜の老化や劣化現象を起こさずに外観を維持できることが求められます。塗膜の耐候性は、使用される塗料によって左右されます。
この耐候性を評価する試験方法として、屋外暴露試験が用いられます。屋外暴露試験は使用状況と同一条件をつくることが難しく、調査に長い時間が必要なため、太陽光に近似させた人工光源を用いるなどして人工的に条件を作り出す、促進耐候性試験が行われることもあります。