中和
酸と塩基が塩を生成する化学反応は中和反応の一種です。塩とは中和反応でイオン結合した化合物のことで「えん」と読みます。その結果は必ずpH7の中性に至るものではなく、反応物の酸・塩基や生成した塩のpH濃度によります。強酸と強塩基ではpH7になり、弱酸と強塩基ではpHは7より大きくなり、強酸と弱塩基ではpHは7より小さくなり、弱酸と弱塩基では反応物によりpHが決まります。多くの中和反応は発熱反応ですが、吸熱反応の場合もあります。一般的な中和反応は酸と塩基、それぞれの陽イオンと陰イオンが反応して塩と水を生成します。
中和には等しいモル数量の酸と塩基が必要で、それを式で表すと「酸の価数×モル濃度×体積=塩基の価数×モル濃度×体積」となります。
工業排水が環境に及ぼす影響を抑えるために、炭酸カルシウムや水酸化マグネシウムなどを用いて中和が行われます。