沈降分離
沈降分離とは固体や粒子が分散した液体を水槽中に滞留させ、重力によって重い粒子が次第に沈降していくいわゆる「沈降現象」を利用して粒子と液体を分離させることを言います。
金属表面処理の分野では工程から発生する排水の処理をする過程で排水から水質汚濁防止法における有害物質や指定物質を除去する方法として利用されています。通常、排水は酸もしくはアルカリによってpH調整され、不溶性の金属水酸化物を生成してフロックを形成させて、沈降分離をします。この時、沈降分離に必要とする時間を短縮するため高分子凝集剤を添加してフロックを粗大化させることがあります。このように微細な懸濁物質を凝集させて効果的に分離する処理方法を凝集沈殿処理といいます。
フロックを沈降分離した後、上澄み液はpHを測定して必要に応じて中和作業を行い水質汚濁防止法で定められたpHに調節してから公共水域等に放流します。沈降分離槽で分離されたフロックは、ポンプ等を使用して次工程に送られ、性状に合わせた脱水方法で水分を除去してから産業廃棄物として処分します。表面処理コラム『高分子凝集剤に関するまとめ』