沈降分離
沈降分離とは固体や粒子が分散した液体を水槽中に滞留させ、重力によって重い粒子が次第に沈降していくいわゆる「沈降現象」を利用して粒子と液体を分離させることを言います。
金属加工においては排水処理等の過程で排水から重金属やクロム等を除去する技術として利用されています。通常、排水は酸もしくはアルカリによってpH調整され、不溶性の金属水酸化物を生成させ、沈降分離をします。この時、沈降分離に必要とする時間を短縮するため凝集剤を添加して金属水酸化物を凝集することがありますが、これを凝集沈降分離といいます。
金属水酸化物の沈澱後、上澄み液はpH値の確認を行い必要に応じて中和作業を行い放流規制pH値に調節してから下水道等に放流します。水槽内に沈降した金属水酸化物はスラッジと呼ばれ、5~10分ごとにポンプでスラッジ濃縮層に送られて濃縮されたのちに脱水機にかけて乾燥させ、水分を除去した状態で産業廃棄物として処理します。