特殊鋼
特殊鋼とは鉄に炭素以外の様々な元素を加えた合金鋼のことです。添加する元素によって硬度、強度、粘り強さ、耐摩耗性、耐熱性、耐食性などの性質に変化が現れます。また、炭素以外の添加元素を含んでいない炭素鋼でも、特別な製法、熱処理、加工などによって高度な品質が保たれているものは特殊鋼として扱われます。
使用用途によって工具鋼、構造用鋼と特殊用途鋼の3つに分けられます。工具鋼は硬くて摩耗が少なくかつ粘る性質が必要なため、大量の炭素が入れられ、球状化処理で強靭化など用途に応じて要求特性を満足させるものです。
構造用鋼は合金を添加した合金鋼であり、含有元素と濃度が一目でわかるように記号体系で記述されています。
また、ばね特性に優れる、錆びにくいなどの用途を限定したものが特殊用途鋼です。代表的なものにステンレス鋼があり錆びにくいのが特徴でオーステナイト系とフェライト系、マルテンサイト系の順番で錆びにくくなっています。通常環境では錆びにくいのですが、この特殊鋼には粒界脆化や応力腐食割れ等の弱点があるため、部品や部材を使う際にはよく理解しておくことが必要な鋼です。