普通鋼
鋼の一種で炭素鋼というものがあります。炭素鋼とは鉄と炭素の合金で、炭素の含有量が0.02~2.14%の範囲であることをいいます。炭素の他にマンガン、リン、硫黄などが含まれますが、これらは最初から添加されたものではなく製造過程で残ったものです。そのため炭素よりも多く含有されることもありますが、その場合でも炭素が鋼に及ぼす影響の方が大きいため、炭素鋼と呼ばれています。炭素鋼は含有される炭素量の増加によって引張強さと硬さが増しますが逆に伸びと絞りが低下すると言われており、熱処理を施すことで大きな性質変化をします。
炭素鋼のうち炭素含有量(質量パーセント濃度)が0.25以下を低炭素鋼、0.25から0.6を中炭素鋼、それ以上のものは高炭素鋼と呼ばれています。
高炭素鋼は一般構造用圧延鋼材と機械構造用炭素鋼鋼材として用いられ、前者は熱処理は行わず後者は熱処理を行うことを前提としています。低炭素鋼と中炭素鋼は一般的に広く使用されることから2つを合わせて普通鋼と呼ばれています。