冷間圧延
金属を加工する方法のひとつに圧延という方法があります。回転させた複数のローラーの間を通すことにより、板状などの形状に加工していく方法です。圧延には、金属を熱して行なう熱間圧延と常温の状態で加工する冷間圧延があります。
冷間圧延は金属を熱する熱間圧延に比べると、大きく変形させることはできませんが、均一な処理ができ、表面の仕上がりが良いため、仕上げの段階での加工に利用されています。そのため、順序としては熱間圧延で一定の厚さまで加工した後、それぞれの用途に向けて冷間圧延を施していきます。加工された鋼板は、そのままでは錆などで材料を傷めてしまうので、防錆油が塗布されています。
冷間圧延によって加工された鋼板は自動車や家電製品などに用いられています。また表面に特殊な加工を施して、磁気や伝導性の特性を持たせて、電化製品のモーターや発電機、変圧器など電気系の用途にも広く使われています。