SEM
SEMとは、Scanning Electron Microscopeの略のことで、走査電子顕微鏡を意味します。
光学顕微鏡では、光の波長よりも小さい、ナノ構造を観察することはできません。これに対して、SEMであれば、電子線を照射して、試料から放出される二次電子、反射電子、透過電子を検出することで試料を把握するため、ナノ構造も十分把握することができます(その最大倍率は50万倍です)。虫眼鏡が太陽の光を1点に集中させるように、SEMは、電子レンズを使って、電子線を1点に集中させるのです。さらに、焦点深度が光学顕微鏡よりも深く、広範囲に焦点をあてることができるので、立体的な像として見ることができます。
また、SEMは試料の観察だけでなく、その試料に含まれた元素の種類・量を分析するツールとしても活用されています。このため、医学、生物学の分野のみならず、金属、セラミックスなどの分野でも品質管理に利用されています。