表面処理剤のラインアップ
ケミコートでは、金属表面に対して洗浄したり、化学研磨したり、梨地仕上げをしたり、塗装の下地処理をしたりといった機能をもった薬剤を取り扱っております。
それらの薬剤は、処理の目的や対象となる金属製品の素材や形状、処理条件などを元に選定を行います。状況·状態に合わせて様々な種類の表面処理剤をご提供致します。
防錆剤とは
防錆剤とは、金属材料の腐食いわゆる錆(さび)を防ぐための表面処理剤です。
金属材料に錆が発生してしまうと、見た目が悪くなるだけで無く、金属部品としての使用が出来なくなる恐れや、予期せぬ事故や災害を引き起こす要因ともなり得ます。その経済的損失および対策費用は年間数兆円とも言われていて、金属を扱う企業にとって避けては通れない課題となっています。
自然界で安定して存在している酸化物を精錬して作られる金属は、空気中において自然の状態(酸化物)へと戻っていきます。
鉄鉱石から精錬された鉄も例外では無く、空気中で水分と酸素により酸化し、赤さびを生みます。
このさびを防ぐには、金属表面から水や酸素を遮断する必要があり、この金属表面処理を防錆といいます。
防錆として用いられる金属表面の被覆技術にはメッキに代表される金属被覆、無機物を主に用いる無機被覆、有機物を主に用いる有機被覆の3種類があります。
防錆剤を詳しく分けると、一般的に潤滑油としても使用されているものが含まれる「さび止め油」、気化性と水溶性および気化性水溶性に分けられ火災の心配のいらない種類が多い「さび止め剤」、紙にさび止め剤を塗布・含浸した「さび止め紙」と、同じような効果の処理をフィルムに施した「さび止めフィルム」があり、これら以外には金属表面に吹き付けたり刷毛塗りできる可剥性プラスチック、シリカゲルに代表される乾燥剤、密閉された環境で用いられる脱酸素剤、吸着力の高さを利用した防錆効果が期待できるインヒビター、鉄・金属表面に金属と非金属の原子を結合した化合物である錯塩を形成して錆の発生を防ぐキレート化合物なども防錆剤としてあげられます。
JIS規格では鉄鋼などの金属製品の防錆で施すさび止め包装方法とその試験法を定めています。
防錆剤の種類と特徴
JIS(日本工業規格)には、一時防錆は「作業工程、保管、輸送中などにおける短期間の防錆」と定められています。
そのため、塗装などの最終的な防錆処理をするまでの短い期間に錆が発生するのを防ぐのが一時防錆の目的です。
防錆剤の種類は、さび止め包装方法通則(JIS Z0303)が示す分類により、さび止め油とさび止め剤、さび止め紙及びさび止めフイルムの大きく3つに分けることができ、各材料別で更に幾つかの種類があります。
また、通則に規定されていないその他の防錆材料でも複数の種類があり、それぞれに特徴があります。
弊社で多くご採用頂いているのは、金属製品の塗装前処理ラインでの一時防錆薬剤です。
金属製品に塗装前処理をしてから塗装をするまでの間に錆が発生しないようにするのが目的で使用されます。
防錆剤を建浴した薬液を金属製品に対してスプレーや浸漬でまた、弊社の設備部門の持つライン内停止システムのノウハウと組み合わせて、お客様の塗装前処理ラインの生産性向上に貢献させて頂いております。
ケミコートの一時防錆剤には、このようなものがあります。
有機性防錆剤No.ケミクロン1S
ケミコートNo.No.ケミクロン1Sは有機性の防錆剤ですが、従来の有機性防錆剤に比べその防錆性は卓越しております。
塗装下地の一時防錆剤(及びライン内停止用の一時防錆剤)として使用することができます。
No.ケミクロン1Sの使用例
- ①脱脂→水洗→No.ケミクロン1S処理→自然乾燥
- ②脱脂→水洗→リン酸鉄皮膜→水洗→No.ケミクロン1S処理→自然乾燥
- ③脱脂→水洗→皮膜→No.ケミクロン1S処理→皮膜→水洗→乾燥
①②は脱脂又は化成処理後の防錆剤として使用、③はスプレーリン酸鉄ライン内停止時の一時防錆剤として使用。
No.ケミクロン1Sの特徴
- 01有機化合物が主成分で、低濃度(min.0.2%)でも防錆力が抜群。
- 02鉄以外アルミや亜鉛鋼板にも効果ある。
- 03常温使用で、加温設備が不要。
- 04pHが中性付近で、健康危害が少ない。
- 05重金属類、リン、フッ素等不含有、排水処理容易。
- 06防錆処理後そのまま塗装しても密着性良好。※
- 07水洗で防錆膜を取り除く事が可能。
- 08休憩時前処理ライン内停止時の一時防錆剤として使用可能。
但し、液溜まり部は対象外。